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title: 4-3:台湾、日本、韓国における若者のシビックテック参加状況 | g0v シビックテックプロジェクトとコミュニティの手引き|g0v Civic Tech Project & Community Handbook
tags: jothon, NDI
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# 4-3 台湾、日本、韓国における若者のシビックテック参加状況|g0v シビックテックプロジェクトとコミュニティの手引き|g0v Civic Tech Project & Community Handbook
### Chapter 4: アジア諸国におけるシビックテックプロジェクトとコミュニティの現状
## 4-3 台湾、日本、韓国における若者のシビックテック参加状況
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このセクションの情報は、g0vプロジェクト「零時小学校」及び「Facing the Ocean(FtO)2023」のU22のインタビュー対象者(韓国の大学生2名、日本の大学生2名、台湾の大学生2名、台湾の中学生1名)から得たものです。
#### Facing the Ocean(FtO)Meet & Hack
「Facing the Ocean(FtO)」は台湾、日本、韓国、香港を含む西太平洋地域のシビックテックコミュニティです。 「Facing the Ocean Meet & Hack」は、2019年から FtOコミュニティが主催する一連のハッカソンです。
2023年のMeet & Hackは台湾の「g0v international」、韓国の「Code for Korea」、日本の「Code for Japan」の共催によって開催されました。
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### 一、韓国
#### 1. U22のシビックテック参加状況
インタビュー対象者の韓国の大学生は、韓国ではシビックテックがU22の間であまり知られておらず、その中で比較的知名度があるのが「Code for Korea」であると話しました。他に「NullFull(널채움)」や「Semicolon」といった学生コミュニティを紹介したインタビュー対象者もいました。(詳細は 4-1 を参照)。
シビックテックコミュニティはあまり知られていませんが、U22によるプロジェクトの数は日々増加しています。たとえば、2023年に韓国で無差別殺人事件が多発した際には4人の大学生が「01abチーム」を結成し、テロのない(테러리스、「テロのない」といった意味)プラットフォームを自発的に構築し、関連情報を収集し、市民として共同で社会のセーフティネットを構築しました。
韓国の学生たちがシビックテック分野に関わろうとする際によく直面するハードルとして、限られたリソース、経験不足、学業との両立といったものがあります。
#### 2. シビックテックに参加する方法とアドバイス
インタビューを受けた情報科学専攻の一人の大学生は、「若者は通常ニュースや友人の紹介で情報を得ているが、おそらくはU22の宣伝が不十分であるため、学校の人々は一般的に『Code for Korea』の存在を知らない」と語りました。
また、一般的に学生はプロジェクトを実行するための十分なリソースを持っていないため、韓国の学生は通常、リソースを獲得するためにさまざまなコンテストに参加してプロジェクトを開発すると話しました。ただ、コンテストの評価には審査員の個人的な意見が含まれるため、一部のプロジェクトは重要であるにもかかわらず、見逃されてしまうことがよくあります。さらに、インタビューした学生の経験によれば、今の韓国にはシビックテックのためのはっきりしたリソースがなく、多くの学生たちは主にテクノロジーのリソースを利用してプロジェクトを開発しています。たとえばGoorm社は開発者のためのサポートシステムを提供し、学生コミュニティの「Semicolon」はコラボレーションプラットフォームを提供しています。
学生たちのシビックテックへの思考や能力をさらに伸ばしたい場合、教育組織は学生たちがシビックテックに触れ、実践的なスキルの指導を提供するために、シビックテックに関連するレッスンやセミナーを実施すると良いでしょう。同時に、経験豊富なシビックテック参加者に熱心な若者を指導してもらうメンタリングプログラムを確立することもできます。こうすることで、学生の熱意と実行との間のギャップを埋め、シビックテック参加への明確な道筋を示すことができます。さらに、シビックテックの話し合い、ハッカソン、クリエイティブな取り組みのために、学生が頻繁に使用しているDiscord などのプラットフォームを活用しましょう。最後に、単位の認定、インターンシップの機会、奨学金などのインセンティブを提供することで、学生がシビックテックに積極的に参加することを奨励することもできます。
### 二、日本
#### 1. U22のシビックテック参加状況
日本の若者の間では、「Code for Japan」と「Supporters」という二つの大きく影響力のあるテックコミュニティがあり、どちらもテクノロジーを通じて民主主義を築くことを目指しています。現在、U22の若者、特に高校生や大学生がシビックテックに積極的に参加しています。特に「東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイト」の開発では、多くの高校生や大学生がオープンソースソフトウェアの開発に積極的に取り組みました。このサイトは日本の47都道府県版の地域版オープンソースを参考に制作されており、その多くが学生主導で行われています。
学生がシビックテックに参加する理由の一つは、シビックテックプロジェクトに参加することで学習内容と実績が豊富になり、市場に参入した際に個人の価値が高まることが挙げられます。逆に学生が参加したがらない理由の一つは、モチベーションがないことです。また、プロジェクトに参加すると自由と責任はセットになりますが、参加する若者の経験は人によって異なるため、戸惑いを覚える学生もいるかもしれません。
#### 2. シビックテックに参加する方法とアドバイス
日本では、ほとんどの若者が X(旧Twitter)、Instagram、Web検索を通じてシビックテックのコミュニティを見つけるほか、先輩、友人、学生コミュニティでそのコミュニティの評判をキャッチしたりします。さらに、インタビューを受けた日本人学生は、「Code for Japan」では22歳以下の学生を対象とした「シビックテック チャレンジ カップ U-22」を開催していると話しました。参加者はオンライン環境を使用してデモを開発し、作品を展示することができます。また、学生が初めてシビックテックに参加するための入口として、シビックテックプロジェクトのためのリソースを提供しています。
しかし、インタビューを受けた学生たちは、シビックテックプロジェクトのリソースが学生にとってまだ限られていると感じていました。インタビュー対象者の一人は、若者の参加を強化するためには、シビックテックプロジェクトの経験を通じて得たスキルを他の分野に応用できるようにすることが重要であり、関連の議論や経験の共有を増やす必要があると話しました。
さらに、インタビュー対象者は、一部の産業、コミュニティ、企業などがシビックテックプロジェクトの経験を高く評価できれば、外部からの動機付けではあるものの、学生がシビックテックに触れる可能性が高まると考えていました。学生が実際にプロジェクトに参加すれば、シビックテックがもたらす価値を実感し、それを内発的な動機付けに変えることができます。たとえば、多くの組織が採用のプロセスで面接対象者のシビックテックにおけるオープンソースへの貢献実績を評価することなどが考えられるでしょう。さらに、学生が企業や大学で自分の過去の経験を発表する場合、適切な評価を得るために、シビックテックへの取り組みにおける主体性、リーダーシップ、イノベーティブ性といった資質を強調するよう努める必要があります。シビックテックの経験が認識され評価されれば、学生はシビックテックの取り組みに参加しながら将来のキャリアを考えることができるようになります。
### 三、台灣
#### 1.U22のシビックテック参加状況
台湾のシビックテックコミュニティやプロジェクトに参加するU22の若者の数は決して多くはありませんが、近年増加しています。台湾の教育制度では、ほとんどの学生が受験で忙しいため、18歳未満の参加者は少なくなっています。しかし、2019 年に施行された「中華民国108年学習指導要領(通称108課綱)」では学生の自主的な学習を奨励し、自分で計画した自主学習コースを実践できるようになったことから、テクノロジーに興味のある学生がシビックテックに接触する機会がより広がり、プロジェクトに参加したり立ち上げるようになっています。
インタビューした学生たちの観察と経験によると、U22の若者が参加できるシビックテックコミュニティまたはプロジェクトは、他の年齢層と何ら変わりなく、つまり「g0v 零時政府」であるということでした。現在、台湾におけるシビックテックコミュニティの発展における目標は、シビックハッカーのデジタルリテラシーと問題洞察能力をさらに根付かせるために、参加者の年齢を下げることです。たとえば、「g0v 零時政府」の運営チーム「揪松団(jothon)」は、生活や社会の問題を解決するデジタルプロジェクトに自発的に協力できる中学生と大学生を育成するため、2019年に「零時小学校」プロジェクトを立ち上げました。
22歳以下の若者たちが始めたプロジェクトに関して、インタビューした学生の観察によれば、学生が解決したいと思っている問題は通常、自分自身に関連しているため、ほとんどのプロジェクトの目標は教育と非常に密接に関係しているということでした。たとえば「参考書推薦プラットフォーム」は学生が最適な参考書や試験対策本を見つけるのに役立ち、「コース API」は台湾のオープンコースAPIを収集して 一つのプラットフォームでまとめています。
インタビュー対象の大学生の経験によると、学生がプロジェクトを立ち上げる際、の大きな困難が、プロジェクトを維持するための時間が足りないことです。中高生には進学のプレッシャーがあり、大学生には高校生以上に学業のプレッシャーがある上にサークル活動やキャンプなどの課外活動も加わり、時間が足りないのが常です。さらに、インタビューを受けた学生らは、現在直面している最大の問題はシビックテックプロジェクトのプロモーションで、プロモーションをしてもその効果には限りがあり、プロモーションをやめるとと誰もWebサイトにコメントを残さなくなると話しました。
#### 2. シビックテックに参加する方法とアドバイス
3名のインタビュー対象者は全員、シビックテックに参加した経験としてg0v揪松団が始めた教育プロジェクト「零時小学校 Sch001」について言及しました。このプロジェクトはシビックテックのテーマとコラボレーションモデルを教育現場にもたらすもので、学校とコラボレーションしてオフライン/オンラインレッスンの開発、キャンプの開催、「プロジェクト育成コンテスト」などを通じて、学生のデジタルシティズンシップ・リテラシーを向上させることで、シビックテックコミュニティへの参加の年齢層と多様性を拡大させるものです。インタビュー対象者のうちの一人は、このプロジェクトが学生にシビックテックのプロジェクトやコミュニティに参加するためのチャネルを効果的に提供していると話しました。ある大学一年生を例に挙げると、高校生の頃に学校の物理教師に紹介されて参加した「零時小学校」主催の「夏のオンライン・パワーアップキャンプ」が、彼にとって初めてのg0vのイベントだったそうです。このキャンプを通してg0vを知って以来、彼はコミュニティのニュースに注目するようになりました。
さらに、一部のインタビュー対象者は、学生がシビックテックに参加することを奨励する既存のリソースに、「Notion for Education」、「GitHub Student Developer Pack」、「AWS Educate」などの開発リソースがあると述べました。
インタビュー対象者は、U22の若者参加をさらに促す方法について、既存のリソースでいえば「g0v揪松団」や「零時小学校」が主催するさまざまなレッスンに加え、「SITCON (Student Computer Annual Conference)」も頻繁に「Hour of Code(HoC)」や「OSCVPass」といったイベントを開催していると話しました。 これにより、若者たちがワークショップを通じて簡単なプロジェクトを行い、その過程でオープンソースのプロジェクトに触れることができます。さらに、そうしたプロジェクトの大部分はシビックテックです。インタビュー対象者の友人の多くはこうしたプロセスで初めてシビックテックを知ったということでした。
しかし、インタビュー対象者の観察によると、これらのワークショップのほとんどは非常に幅広い参加者を想定していますが、一般的なワークショップはほとんどが小学生低学年や中高生が対象です。こうした学生はスキルも非常に幅広く、データスキルも限定されません。彼らは通常、同様のワークショップに興味を示しますが、その後シビックテックコミュニティに参加したり、シビックテックプロジェクトに参加し続けることはほとんどありません。こうしたコンバージョン率をより高めるためには、初心者が自発的に参加でき、必要なスキルのハードルが低いプロジェクトの実施が推奨されます。
さらに、より多くの若者がシビックテックに触れたり参加したりする機会が増えれば、彼らが知る確率が最も高いのはやはり、前述したオープンなレッスンを統合したプロジェクトのように、教育に焦点を当てたプロジェクトやコミュニティであると考えられます。インタビュー対象者は、教育だけに限定されるとは考えていませんが、「動機」という点では、他のカテゴリと比較して教育が最も感触があり、実行可能なものであるはずです。学生たちのほとんどは現在、それぞれ分散してDiscordグループに参加しており、そこでさまざまなトピックについて議論しています。ほとんどは読書クラブ、共同学習グループ、または単に一緒に遊ぶようなグループです。彼らの行動力をより多くの学生たちの支援へと変換し、テクノロジーを活用したプロジェクトに変換するため、必要とされるリソースを見積もってみることをお勧めします。
大学生の参加については、シビックテックコミュニティに人手不足のプロジェクトがある場合、大学側と協力して校外サービス学習の講義を設置し、校外でのサービス時間を稼ぐ必要のある学生と、人手が必要なプロジェクトのマッチングを検討することができます。大学生がシビックテックに触れる機会を創出できるだけでなく、プロジェクト側にとって適したパートナーを見つけることもできます。
以上のことから、二人のインタビュー対象者は、若者のシビックテック参加や関心を促進するためには、「若者だけが参加できる」シビックテックコミュニティを設立する必要はなく、 「若者の参加に優しい」コミュニティを構築し、それを補助するようなリソースを提供することが効果的だと述べました。若者に特化したソリューションを提議する理由は、それがあれば若者にとって参加のハードルを下げられると考えているからです。しかしながら、元来のシビックテックコミュニティにおいて行われてきた若者への提案指導といった支援でも参加ハードルを下げられており、若者が能力や技術を持ってシビックテックに参加できています。先輩の指導もあいまって参加意欲も高まりますし、プロジェクトでトラブルがあっても心配せずに済みます。
### 四、まとめ
#### 1. U22のシビックテック参加状況
**(1) シビックテックに参加するU22の数は、少数ながらも年々増加中**
シビックテックに関わろうとするU22は年々増加しており、プロジェクトのテーマは主に教育や学習上のリソースや仲間、遠隔学習といった困難であることが多いです。中には若者向けの社会課題、たとえば無差別殺人事件が発生した場所のリマインダーマップ、夜間の女性の安全などもあります。なかには台湾、日本、韓国のシビックテックコミュニティに率先して参加している学生グループもあり、それらで学生が得た経験によれば、U22が認知したり参加しているコミュニティは、台湾のg0v、日本のCode for Japan、韓国のCode for Koreaなど、その地域で最も大きなシビックテックコミュニティであり、若者以外の年齢層と傾向はあまり変わりません。現時点では参加者数は少ないものの、各国のコミュニティが時間の経過とともに発展し、g0vのプロジェクト「零時小学校」やCode for Japanの「シビックテック・チャレンジカップ U-22」など、コンテストや研修課程を通じてU22の若者のシビックテックに対する意識や能力を育成し始めていることから、U22のシビックテック参加者は年々増加しています。
**(2) 学生のシビックテックプロジェクトは、学業のプレッシャー、経験とリソース不足のため、スムーズな発展が難しい**
インタビューを受けた韓国と台湾の大学生はいずれも、学業や校外活動との両立が学生のシビックテックプロジェクトの発展に影響を与えると語りました。台湾、日本、韓国の教育は依然として入学試験に基付いているため、学生がプロジェクトを発展させていくための時間を捻出するのは難しいのが現実です。さらに、経験やリソースが不足していることで、プロジェクトの困難をうまく解決できないことがよくあります。たとえば、台湾の学生にはマーケティングの経験が不足しており、リーチが限定されてしまいます。しかし、政府の教育政策が変わったことで、学生のシビックテック参加の機会はますます増えていくことでしょう。たとえば、台湾の「108課綱(108年学習指導要領)」では、高校生に自主学習課目、探究・実践課目、多様な選択課目が追加されました。また、g0vの「零時小学校」は高校教師と何度も協力し、探究と実践、または多様な選択課目を利用しながら、デジタル市民プロジェクト実践クラスを開設し、生徒たちのプロジェクト実行を訓練しました。
#### 2. シビックテックに参加する方法とアドバイス
U22のシビックテック参加をどのようにサポートするかというインタビューを受けた台湾、日本、韓国の学生たちからは、リソースの強化、学校との協力、関連コンテストの開催や、業界とつながり、シビックテックの社会的認知を高めるといった方向性が挙げられました。そのなかで台湾の学生からは、若者専用のコミュニティを設立する必要はなく、むしろ既存のシビックテックコミュニティの参加ハードルを下げること、そして先輩たちから指導を受けられるといったことが若者たちの参加意欲を高め、プロジェクトの困難を解決することができるという意見が寄せられました。
**(1) シビックテックとの関わりが入学や就職の機会を高めると、学生の参加意欲が高まる**
A. 学業やキャリアにシビックテックへの参加経験を活用した学生のストーリーをまとめ、他の学生の参考にする
インタビューを受けた日本人学生は二人とも、学生がシビックテックに参加する主な理由は、学習歴や履歴書を豊かにし、就業の機会を増やすことであると述べました。台湾g0v「零時小学校」の観察によると、g0vコミュニティの多くの高校生は、大学受験の際にシビックテックへの参加経験を評価され、希望する大学に入学する際の重要な経歴として活用しているようです。こうした経験を収集して編集することで他者の参考となる道筋を提供し、シビックテックのキャリアパスに対する影響を具体化すると良いでしょう。
B. シビックテックの経験に対する社会的認識を高め、学生とビジネス界のつながりを生み出す
日本の学生は特に、社会がシビックテックの経験を高く評価することで、学生がシビックテックにより積極的に取り組むようになるだろうと述べました。一方で、学生側も自身がシビックテックプロジェクトで学んだ主体性、リーダーシップ、イノベーティブ、テクノロジーといった能力や姿勢を率先して強調する必要があります。また、シビックテックと企業の連携も認知度アップのための手段の一つであり、現在、Code for Japanでは「シビックテック・チャレンジカップ U-22」の開催の際に企業と連携し、優秀チームの表彰を企業が行うようにしています。2020年に受賞した多くのチームメンバーは、プロジェクトの経験が就業にも非常に役立つといった感想を述べました。
**(2) 若者専用のシビックテックコミュニティを作る必要はなく、本来のシビックテックコミュニティへの参加ハードルを下げる**
A. 技術的なリソースは、学生のシビックテックプロジェクトを具体的に支援することができる
学生たちは、シビックテックコミュニティに加えて、技術的なリソース・コミュニティのサポートも必要としています。シビックテックプロジェクトの実践に必要なリソースや一部のデジタルツールには使用料金がかかるため、無料または割引の機会が得られれば、学生はプロジェクトを想像から開発、実装へと実現することができるようになります。
B. 既存の教育体制内でシビックテックコミュニティとの協力を促進する
韓国と台湾の学生はともに、シビックテック関連の課程やイベントの導入、ベテランのシビックハッカーと結成したメンター制度の共同設立、学生が利用するソーシャルプラットフォームの利用、単位認定・インターンシップ・奨学金の提供など、学校とコラボレーションできる可能性は大いにあると述べました。台湾ではg0vのプロジェクト「零時小学校」が高校や大学と連携して課程を行った実績があり、g0vのメンターカウンセリング制度も参考にすることができます。過去に協業した教師たちからも、既存のシビックテックコミュニティとつながることで、参考になる明確な事例やモデルが提供されるだけでなく、デジタルツールやシビックテックの概念やリソースに不慣れな教師の不安が軽減され、コラボレーションを願い出る教師の数が増えるというフィードバックも寄せられています。
C. シビックテック関連のコンテストを開催する
韓国の学生は、通常、韓国の学生はプロジェクト実行のためのリソースを獲得するためさまざまなコンテストに参加するものの、コンテストの審査員は必ずしもシビックテックを理解していないことが多いと指摘しました。現在、台湾のg0vプロジェクト「零時小学校」は毎年「プロジェクト育成コンテスト」を、日本のCode for Japanは毎年「シビックテック・チャレンジカップ U-22」を主催しています。どちらもシビックテックを主題に、U22を対象に一定の枠を保証しており、この二つのコンテストは台湾と日本の学生がシビックテックに参加するための重要なチャネルになっています。以上を踏まえ、シビックテックを主題にしたコンテストの開催を推奨します。