---
title: 2-1 どのようにシビックテックコミュニティを立ち上げるか
|g0v シビックテックプロジェクトとコミュニティの手引き|g0v Civic Tech Project & Community Handbook
tags: jothon, NDI
---
:::success
:book: Return to the homepage of the handbook: https://g0v.hackmd.io/@jothon/ctpbook_jp
"g0v シビックテックプロジェクトとコミュニティの手引き" is licensed under CC BY-NC.
:::
# 2-1 どのようにシビックテックコミュニティを立ち上げるか|g0v シビックテックプロジェクトとコミュニティの手引き|g0v Civic Tech Project & Community Handbook
### Chapter 2: コミュニティの発展とネットワークの拡大
## 2-1 どのようにシビックテックコミュニティを立ち上げるか

:::info
**シビックテック(Civic Tech)** とは、コミュニケーション、大衆のコンセンサス、市民の参加を強化するためにテクノロジーツールを用いたり作り出すモデルであり、オープンデータを活用して政府の透明度、国会の監督と政府の説明責任を強化します。シビックテックの表現はインターネットプラットフォーム、オンラインサービス、スマートフォンやコンピュータのアプリケーション、ブラウザのアドオン、各種デバイスなどさまざまで、市民社会や公共の利益を高めるために作り出されます。
:::
シビックテックコミュニティをゼロから構築することは、段階的なプロセスであり、市民の積極的な参加に依存することに加え、コミュニティの設立者はそれぞれの発展と持続的な運営を確保するため、さまざまな段階で大切にすべきポイントに注意を払う必要があります。g0vの分散型コミュニティの経験から、私たちはプロジェクト型コミュニティの設立は大きく分けて4つの段階に分けられると考えています。
まず、ゼロステージではなぜコミュニティを作るのかを明確にしておくことが必要です。どのような問題を解決したいのか、コミュニティの目的を設定します。
コミュニティの目標を決定したら、最初の段階では、活動の組織化やつながりの創出を通じて、場所を設定し、コミュニティに参加する人を集めます。同時に、より多くの人に参加してもらうために、SNSを活用してプロジェクトの現状や結果を共有することも必要です。
コミュニティの参加者が増加するにつれて、コミュニティのガバナンスがより重要になります。第2段階では、友好的でポジティブな環境を作り出すために、コミュニティ内のルールを確立する必要があります。同時に、コミュニティをさらに拡大するために、コミュニティの影響力を生み出し、整理し続ける必要があります。
コミュニティが一定の成熟度に達すると、第3段階に入ることができます。この段階では、アクセラレーターまたはインキュベーターを設立し、インセンティブを用意したコンテストや教育トレーニングなどを通してプロジェクトの発展をサポートすることができます。
さらに、コミュニティの経験を学習リソースやモデルに変換し、オンラインコースの開発や学校とのコラボレーション、民間のテクノロジースキル要員の育成、シビックテックコミュニティへの参加年齢の引き下げなどでコミュニティの拡大を図っても良いでしょう。
以下では、g0vコミュニティを確立するプロセスで、それぞれの段階がどのように機能してきたかを詳しく説明します。
## フェーズゼロ:コミュニティの目標を明確にする
コミュニティ構築の初期段階では、解決したい問題や目標を明確に設定する必要があります。問題と目標の設定がコミュニティの方向性と発展を決定します。解決すべき問題が特定されなければ、コミュニティは価値のある解決策や目標を提供できず、参加者にとってコミュニティの魅力が薄れてしまう可能性がありますし、明確な目標がなければ、コミュニティは方向性を失い、行動する力を失う可能性があります。
問題と目標を明確にすることは、コミュニティの成長に役立つだけでなく、コミュニティが参加者を引き付け、維持するのにも役立ちます。コミュニティが人々が関心を寄せている問題を解決したり、貴重なリソースやコミュニケーション プラットフォームを提供したりできれば、より多くの人が参加するようになり、よりポジティブなコミュニティ文化が形成されます。
## 第一段階:参加者を集める
### 1. フィールドとつながりを作る
#### (1) イベントを開催する
ゼロから「人」を集めて「コミュニティ」を構築する最もストレートな方法は、一緒にイベントやプロジェクトに取り組みながら、参加者が気軽に参加できるSNS(Facebookグループなど)を立ち上げ、所属し、コミュニケーションを行うための共通のスペースを作ることです。できればイベントにテーマを設定すると、聴衆が参加しやすくなります。イベント参加者の中により影響力がある人(人脈が広い人、インフルエンサーなど)がいる場合は、その影響力や魅力を通じて、より多くの人に認知してもらい、参加を促すことができます。
イベントは目的やニーズに応じ、さまざまな形式で企画すると良いでしょう。
例:リアルイベント、オンラインイベント、その両方など。
| | リアルイベント | オンラインイベント |混合式イベント |
| --- | -------- | -------- |-------- |
| 目標 | 1. イベント参加者間のコミュニケーション強化 <br/> 2. イベント参加者とイベント主催者のつながり強化 | より多くの聴衆にリーチする | リアルとオンラインの両方の目標を兼ねる |
| 対応できるニーズ | 1. 実践的な操作が必要<br/> 2. ハイレベルな議論が必要 | 低予算のイベント | さまざまな参加者の参加要件を満たす |
| 強み | 1. すぐにフィードバックを得ることができる<br/> 2. イベント参加者のニーズに即座に対応し、サポートを提供できる<br/> 3. 強いつながりを確立し、結束力を高められる<br/> 4. 参加者の集中力が高い<br/> 5. 感覚的な経験を伝えることができる<br/> 6. イベントの雰囲気は何物にも代えがたい<br/> 7. さまざまなインセンティブを提供できる((食べ物、記念品など)<br/> 8. 人々を瞬時につなぐことができる |1.場所に制限されない <br/>2. さまざまな地域の人々、行動が不自由な人々も参加しやすい <br/>3. 対人恐怖症の人も参加しやすい <br/>4. 緊急事態(病気、台風、その他の事故や自然災害など)の代替案にできる <br/>5. 参加者人数の制限を受けにくい| 1. リアルとオンライン両方の強みを活かすことができる <br/>2. さまざまな強さと広がりのあるつながりを創り出せる <br/>3. より柔軟性が生まれる|
| 弱み | 1. 地理や交通の制限を受けやすい <br/>2. 突発的な事態(自然災害、事故等)によるキャンセルが起こりやすい <br/>3. 高コストである <br/>4. 当日の参加率が予想と異なる場合、イベントの各種手配を調整する必要がある(注文した食事の数、現場のテーブルや椅子の配置など) <br/>5. 人数と会場の大きさに相互制約がある | 1. 参加者の集中力が続くとは限らず、周囲の環境に邪魔されやすい <br/>2.コンパクトにまとまったイベントを企画する必要がある <br/>3. 参加者の差し迫ったニーズや、直面している問題を見過ごしやすい <br/>4. 参加者間の交流を確立するのが難しい <br/>5.一方通行のコミュニケーションになりやすい <br/>6. 参加者の双方向性が低い場合(例:話さない、フィードバックをしない)、対処する方法を用意する必要がある <br/>7. 参加者にインターネット環境が必要とされる <br/>8. 参加者には設備(ビデオ、マイクなど)や関連する操作スキルが求められる <br/>9. 参加者の環境や装備がイベント体験に影響する |1. オンライン、オフラインの弱点がどちらもある <br/>2. 両方を扱うことのできる人材が必要 <br/>3. 高コストである <br/>4. イベントの準備が複雑 <br/>5.技術要件とその難易度が高い <br/>6. 参加者は現場とオンラインの両方のコミュニケーションを気にかける必要がある |
| 適したイベントタイプ | どれにも適している | フォーラム、講演会、読書会、会議、授業 | どれにも適している |
<br/>
イベントの開催やコミュニティ構築の目標を設定するだけでなく、参加者の注目を集めるテーマを設定することもできます。さらに、参加者がすぐに情報を取得できる形式(まとめの作成、動画など)もより魅力的です。
初めてイベントを開催する場合は、小規模から始めて、「人」を集めながらイベントの規模を拡大し、コミュニティを構築するかどうかを考えると良いでしょう。
#### (2) コミュニティの交流プラットフォームとデジタルサポートツールを確立する
イベント終了後、参加者らが交流を継続し、より多くのつながりを強化したり広げたりできるように、チャット中心の共同ディスカッションツールを確立したり、さまざまな目的や用途のチャネルをプラットフォーム内に開設し、それぞれに呼応するユーザーを集めることができます。Slackはg0vコミュニティでオンラインディスカッションのための主要コミュニケーションツールとして使用されています。他にも、リアルタイムの共同執筆やコード共有プラットフォームといったデジタルコラボレーションツールを使用しながら議論や共同作業を行っています。
* オンラインチャットルーム:
g0vは当初、IRCをメインのチャットプラットフォームとして使用していましたが、後に登場したSlackは複数のチャンネルが設定でき、g0v内のプロジェクトが共同作業やディスカッション用に独自の独立したチャンネルを開けるので、2014年以降徐々にSlackへと移行し、botを使用してIRCとSlackのメッセージを同期しました。現在、g0vのSlackには814のチャンネルが存在します。
そして現在では多くの学生がDiscordをチャットツールとして使用しているため、g0vの「零時小学校」ではSlackに加えてDiscord を使用し始め、SlackとDiscordのメッセージをbotで同期しています。
* リアルタイムの共同執筆ツール:
初期にオンラインのオープン編集ツールとして使用されていたHackPadは、その後、より柔軟に使用できる共同執筆ツールHackMDへと移行されました。HackPadと HackMDはテキストを一文字ずつ自動的に記録するため、編集に参加したすべての投稿者のデータがシステムに保持されます。HackMDはg0vコミュニティでの同ツールの使用を後援してくれています。さらにHackMDにはプログラミング言語の作成をサポートするという優れた特徴を持ち、エンジニアたちにとっても便利です。
* コードの共有プラットフォーム g0v GitHub:
g0vの参加者たちは、プライベートな時間を利用してプロジェクトに貢献しています。そんな彼らがプロジェクトを継続し、仲間たちから素早くフィードバックを受け、作業の重複を避けるために、g0vには「早く、頻繁にリリースする」という概念があります。コラボレーションツールのプラットフォーム上では現在の進捗状況をリアルタイムで更新できるため、他の参加者がサポートしたり、引き継いで作業したりできるようになります。さらに、オープンなプロジェクトの協業過程の情報は、その経験とパワーの蓄積をまた他のプロジェクトが参考にすることもできます。
### 2. SNSを使って成果をPR・共有する
初期の頃、g0v コミュニティは公式Webサイト、Facebookグループとファンページ、Instagram、X(旧Twitter)、YouTube、ポッドキャストなどを含むさまざまなチャネルを積極的に活用しながらコンテンツを制作し、リーチを拡大しました。それぞれのセルフメディアプラットフォーム上では、より多くの人たちとつながることができます。たとえばg0v揪松団はイベントの事前告知、イベント現場の様子の共有、最近の活動記録やプロジェクトの段階的な成果を毎月まとめてシェアしています。
複数のセルフメディアでの宣伝に加え、g0vの多くのプロジェクトでは、Web サイトやブログを開設し、現在の進捗状況や短期的な目標を定期的または不定期に公開するなど、対外的な宣伝チャネルを確立しています。たとえば、「Cofacts 真的假的」は Facebookグループや公式Webサイトを開設し、常に進捗状況を更新し、リソースや技術支援を募っています。
:::info
### *秘訣* 時事問題のニーズに応え、すぐに参加者を集めるられる
コミュニティの目標や既存の活動に加え、突発的に起こる出来事に対応した行動やイベントを開始することもできます。これにより、短期間で世間の注目を集め、民衆を引きつけ、議論やコラボレーションの強度を高めることができます。
#### |実例|「高雄ガス爆発事故」での情報統合における共同執筆
2014年、台湾南部の地方都市・高雄市で複数の石油化学ガス爆発が発生し、32人が死亡、321人が負傷し、多くの道路区間が破壊された。事故発生後、メディアや現場の情報は混乱し、インターネット上には誤った、あるいは誤解を招く発言や情報が数多く発信されました。
最新の状況を提供し、民衆たちが危険区域に迷い込んだり、疑わしい情報を誤信するのを防ぐため、g0vの参加者達はすぐに結集し、災害救助地図、災害救助情報、関連の火災情報を含む「高雄ガス爆発情報の総まとめ」を共同で作成しました。警報レポート、最新情報と各種需要のリスト、時系列の図表、医療および死傷者情報、各種電話から「1991」に電話して伝言を残すことができる災害伝言ダイヤルプラットフォーム、消防の連絡先、避難所の現状、各種専門ボランティアと支援物資のニーズと募集、被災者向けの無料宿泊所、政府発信情報のまとめ、インフラの修復状況、災害後の支援策、報道のリスト、映像記録、尋ね人専門の情報欄、そしてネットユーザーらが継続的にアップロードする最新レポートも掲載されました。
<br>
:::
## 第二段階:コミュニティ運営の仕組みを設計する
### 1. 継続的なアウトプットと進捗のアップデート
#### (1) 運営チーム「揪松団(jothon)」:定期的に進捗や近況を整理する
運営チーム「揪松団(jothon)」はg0vの活動記録やプロジェクトの現状を毎月整理したり、年次の「インパクトレポート」を制作しています。このレポートにはこの一年間の活動記録、参加者の声、掲載されたメディア情報や学術研究、収支、イベントの事後アンケート結果などが掲載され、g0vの参加者は一年を振り返り、さらに改善できる部分を把握することができます。
#### (2) プロジェクトの近況と目標を共有する
各プロジェクトは定期的または不定期に、Slackの各プロジェクトチャンネル、外部のセルフメディアプラットフォーム、ブログ、またはプロジェクトの公式Webサイトで最近の活動記録を公開しています。また、 二ヶ月に一度のg0vハッカソンで提案したり、ピッチを行ったり、成果を発表することもできます。コミュニティに向けてプロジェクトの近況や当面の目標を共有し、参加者にどのようなサポートができるかを知らせたり、意見や技術を募って議論につなげることもできます。
#### (3) 隔週でポッドキャストを更新
2022 年、揪松団はg0v内のシビックテックコミュニティプロジェクトの舞台裏を共有するポッドキャストを開始し、g0v関係のプロジェクトがエントリーすれば、プロジェクトが生まれた背景、プロジェクト貢献者たちとのコラボレーションの過程、立ちはだかった困難とその解決方法、現状など、各々の経験をシェアできるような場所を用意しました。ポッドキャストのプログラムは隔週で更新され、内容の豊富さと視聴者が集中できる時間のバランスをとるため、各エピソード一時間以内に設定しています。
より広いユーザーにリーチし、社会的な議題に関心を持ち、g0vが何をしているのかに興味を持ってもらえるよう、そしてg0vコミュニティに参加するハードルを下げられるよう、ポッドキャストは、Apple Podcast、Spotify、KKBOX、SoundOn、Google Podcast など複数のプラットフォームで同時に視聴できます。
> ポッドキャスト「g0v Underground 零時電台」https://linktr.ee/g0vpodcast
### 2. コミュニティのガバナンスを整え、絶えず軌道修正する
g0vはコンセプトに同意する人であれば誰もが参加できるため、コミュニティの境界線はあいまいで、開かれています。また、情報の透明化とインターネットを活用して議論や意思決定ができる民主主義システムを採用し、それらの導入に尽力しています。g0vコミュニティが拡大するにつれ、外部との協業も徐々に増加し、参加者は共に異なるプロジェクトや作業グループの運営手順や関連するガバナンス仕様を策定し、改訂し続けています。例を挙げると、行動規範、成果をオープンライセンス付きで公表する際のアドバイス、カレンダー登録、各SNSアカウントやデジタル コラボレーションツールの管理者や管理方法などがあります。
行動規範や協業に関する基本的なプロセスを策定し、お互いのバウンダリー(自他境界線)を尊重しながら友好的な雰囲気を作ることに加え、g0vはビギナーフレンドリーな環境作りにも注力しています。新しく協業し始めたばかりの参加者に、ファイルがどこにあるか、どのように参加すれば良いか、何か問題があった場合にどのように支援を求めれば良いかといったことを知らせます。
また、メディアからの取材を受ける際や外部講演に行く場合の原則、SNSへの投稿手順、公式Webサイトの情報開示に関するガバナンスルールも制定しました。 g0v のコミュニティはインクルーシブかつオープンであるため、誰かが他の皆を代表して発言することはできません。つまり、誰もが自分自身を代表することしかできず、g0vコミュニティの意見を代表することはできないのです。
ガバナンス体制に関する合意を得るために、g0v揪松団はコミュニティのニーズに応えて「インフラストラクチャ・ハッカソン」の開催をサポートしてします。上述したようなコミュニティ内の基礎に対してアイデアを持つメンバーがハッカソンで直接議論し、協力することができます。
g0vが設立初期に中心としていたコンセプトは「完全な分散化」でしたが、現実には各プロジェクトオーナーや「揪松団」に権限が集中する状況が依然としてありました。もっと現状に近つくため、 2019年11月4日に制定されたg0v宣言の修正案では、コミュニティの現状が「多中心的な分散化」であることを受け入れて、従来の完全な分散化の文言を「私たちは多中心的な分散化で活動し、自主的に貢献する文化を築く」と修正しました。
コミュニティ内にはいまだ完全な分散化という考えも多く存在しているため、ガバナンスは「分散化」、「自主的」、「自律的」といった方向へと向かっており、技術上は「分散化」「自主的にオープンソースに貢献する」取り組みがなされています。各プロジェクトによって形成されるコミュニティの分散型モデルに基づき、特定のプロジェクトが徐々に拡大するに連れ、プロジェクト独自のガバナンス体制も策定されていきます。ただ、これらのガバナンス体制の原則はg0vの3つのコアバリュー「オープンソースモデル」「アクティビズム」「シチズンシップ」に反することはできません。
### 3. 情報を継続的に記録・公開する
g0vの参加者たちは、個人的な理由でコミュニティに出たり入ったりするため、コミュニティ内のガバナンス体制やルール、各プロジェクトの集まりや会議の議論、協業の過程は記録資料を残してオープン化しておく必要があります。コミュニティ内のさまざまな意見や当時の雰囲気を残すことで、将来的に議論を進めたり、修正する際の参考にすることができ、歴史的な資料を残すこと、経験の継承としても役立てることができます。データの保存と開放により、コミュニティやプロジェクトの発展で根拠や継承することですべてをゼロから始める必要がなくなります。プロジェクトや作業のプロセスやルール制定も、他の案件を参考にすることができます。また、g0v内ではワーキンググループ別の収支明細も公開されています。
g0vではコミュニティの情報公開以外にも、各プロジェクトの情報もオープンソースで公開され、皆からフィードバックを受けたり、参考にしてもらうことができます。これは一方で「模範を示す」または「コンセプトを体現する」という意味もあります。g0vのプロジェクトは完全に完成した状態で公開する必要はなく、初歩的なコンセプトだけでも最初にリリースすることで、大衆や政府に対して、そのプロジェクトがどのように変化するかを想像してもらったり、公共の問題に対するさまざまな考え方や解決策を提供することができます。
### 4. 寄付金集めの体制を確立し、コミュニティワーカーを雇用する
2012年にg0vが設立されたばかりの頃、コミュニティ参加者はハッカソンを開くためにボランティアとして活動しました。その後コミュニティの規模が成長するにつれ、隔月のハッカソン開催やコミュニティのインフラを整えるワーキンググループ「揪松団」が 2014年に設立されました。何千人ものg0v参加者達をつなぎ、コミュニティでの安定した協業の基盤を作るために活動しています。
コミュニティの運営を維持する仕事への需要が高まる中、揪松団は、少額の個別寄付、定期的なサブスクライブ、企業によるスポンサーシップなど、各方面から寄付を集めるための体制を確立し、g0vが長期的に活動できるようにしました。
寄付金集めの体制確立に加えて、揪松団は 2016年から正社員採用も開始しました。専門的な正社員を通じて、コミュニティの多様な活動やプロジェクトの実行効率を向上させ、必要なリソースやネットワークをさらにつなげることができるようになります。これにより、長期プロジェクトのオーナーや参加者、初心者たちはそれぞれ必要なコミュニティのサポートを受けることができます。
仕事の難易度を下げ、コミュニティの貢献者と揪松団の正社員がよりコミュニティに集中できるようにするために、揪松団は「財団法人オープンカルチャー基金会」との協業を開始しました。財団はg0vへの寄付金収入や支出、人材採用などの事務処理をサポートしてくれています。
## 第三段階:各プロジェクトの発展と参加者の拡大
### 1. リソースのマッチングでコミュニティを支援
#### (1) 活動のための奨励金を提供する
プロジェクトには、初期段階から後期まで、段階ごとにそれぞれのニーズがあります。揪松団は、始まったばかりのプロジェクトは問題の定義が不明確だったり、解決すべき問題が大きすぎたり、解決策が限られていたり、どんな人材や技術が必要なのかが分かっていないことで、段階的な目標の設定方法が分からず、プロジェクトが停滞する原因になると気付きました。そのため、揪松団がプロジェクトオーナーの「零時小学校」では、毎年開催している「プロジェクト育成コンテスト」の参加者にプロジェクトのテンプレートを提供したり、g0vの参加者達に入ってもらい、経験や意見を共有しています。
プロジェクトがより成熟した段階に入ると、クラウド、サーバー、より多くの人員と技術的なニーズなどに直面します。しかし、これらのニーズを解決し、運用を継続するためには、新しい開発への継続的な投資が必要です。揪松団は、社会的影響力を発揮するプロジェクトを生み出せるよう、2017 年から「シビックテック・イノベーション奨励金」を立ち上げました。
:::info
### g0v 揪松団の経験談
#### 1. g0v 零時小学校「プロジェクト育成コンテスト」
「プロジェクト育成コンテスト」には、国連が策定した持続可能な開発目標「SDGs」、ソーシャルイノベーション、教育、公共問題にマッチし、そして「オープンソース コラボレーション」の精神を満たしていさえすれば、提案テーマに制限はありません。学生にはグランプリ枠の数が保証され、参加が奨励されています。また、プロジェクトを“育成する”ということは、それがゼロからスタートし、初心者や学生が公共の議題に試行錯誤しながら取り組む場を提供し、さらに心理的なハードルを下げる意味合いも含んでいます。
コンテストへの参加を効果的に促すために、初戦と決戦それぞれに賞金を用意することに加えて、コンテストの過程にg0vの貢献者たちを招き入れ、相談に乗ってもらったり、プロジェクトが発起してから安定して運営するまでの経験を語ってもらったり、ワークショップを開き、コンテスト参加者らと協力して問題を解決し、プロジェクトの内容と方向性を最適化するための提案をしてもらっています。
#### 2. g0v シビックテック・イノベーション奨励金
台湾でシビックテックが盛り上がりを見せるようになったのは2012年以来のことです。公開で透明性を保ち、市民からの参加を求めるg0vは、「プログラムを書いて社会を変えよう」というスローガンを掲げ、初のハッカソンを開催しました。ここから始まったシビックテックの勢いは、今も続いています。毎回のハッカソンを通じ、何千人もの参加者たちの貢献により、オープンデータとオープンガバメントの精神を備えた多くの情報プラットフォームが作り上げられました。これらがデジタル格差を縮小し、市民参加の敷居を下げることにより、具体的な事実に基づいて問題を審査することができるようになり、公共の議題について話し合おうという意識が高まります。
こうしたオープンデータとオープンガバメントの運動において、g0vは市民と政府間に昔から存在する対立を打ち破り、台湾における市民社会と政府間の新しい交流モデルを生み出しました。ただし、そのようなオープンソースツールの開発と運用、そしてコミュニティ自体も、ほとんどがボランティアの貢献に依存するものです。過去10年間にg0vは 900以上の提案を生み出し、そのうちのいくつかは実際の社会に影響を与えるまでに成長しました。g0vは、優れた創造性とデザインが変化を生み出し、より多くの創造性と開発を促す真の結果をもたらすためには、持続的な開発への投資と長期的なメンテナンスが必要であると考えています。
より多くの優れた人材をシビックテックの領域に引き付けるために、揪松団は国内外の影響力のあるメディア、テクノロジー業界、NPOらから「シビックテック・イノベーション奨励金」への支援を集めました。と同時に、参加や審査基準を定め、公益に貢献する可能性のあるプロジェクトに奨励金を与え、彼らがプロトタイプの開発やメンテナンスに投資できるようにしました。長年にわたりg0v ハッカソンを実施してきた揪松団は、テクノロジーと社会に関心を持つ企業や団体と協力してg0vの成果を知らせることで、ハッカソンという形に加えて、シビックテックを知ってもらう機会を創出し、社会に影響を与え、バタフライ効果を引き起こし、より多くの可能性を広げることを期待しています。
:::
#### (2) スペース、設備、その他のリソースを提供する
プロジェクトには資金や人脈などのリソースに加え、会議やイベントの会場、設備などが必要となる場合が多く、「プロジェクト育成コンテスト」では賞金の数も限られるため、こうしたインフラを整えることは非常に重要です。g0vを例に挙げると、揪松団は、プロジェクトごとに毎月4時間の会場使用と、機材のレンタルサービスを提供しています。
### 2. コミュニティの経験を学習リソースとモデルに変える
シビックテックコミュニティとコミュニティ内のプロジェクトが成熟するにつれて、集合知の下に蓄積された協業の心得と構成やシビックハックの経験とスキル、オープンソースやテクノロジーの概念とその応用、シビックハッカーとしてのキャリアなどは、記録される以外にどのように学習リソースやモデルへと転換できるかが模索され始めました。これらを新しくシビックテックに参加するメンバーへ提供することができれば、スムーズにコミュニティやプロジェクトに参加できたり、プロジェクトを発起できるようになります。
さらに、長期参加メンバーを招待して、その経験を何かしらのレッスンに変換することは、各プロジェクトの認知度を高めるだけでなく、他のメンバーにやり方を教える過程でも、プロジェクトの発起人がさまざまな角度から問題と解決策を明確にしやすくなり、経験をより理解しやすい学習リソースに変えることができます。さらに、多くのレッスンは、テクノロジーのトレンドを既存のプロジェクトにどのように適用できるかといった、長期参加メンバーができることを増やす効果もあります。蓄積されたレッスンはさまざまな教育団体と連携しながら、独学やコラボレーションレッスンとして活用でき、シビックテックを根付かせ、コミュニティ参加者の年齢を下げ、混合年齢の学習コミュニティを形成することもできます。
揪松団が開始した「g0v零時小学校プロジェクト(g0v Sch001)」 を例に挙げます。このプロジェクトは、シビックハッカーの精神と経験をもとにリテラシーを学習するリソースを開発し、シビックハッカーを育成するものです。零時小学校は、g0vコミュニティの経験を、「コミュニティから学び、コミュニティと共創する (Community-Based Learning)」と「プロジェクトベースの学習(Project-Based Learning)」という 2 つの学習モデルに変換しました。どちらの学習モデルも、独学、グループ学習、異業種学習、デジタルアクションという 学習に必要とされる4 つの要素をカバーしています。
零時小学校は以下の4ステップでシビックハッカーを要請しています。
### (1) ステップ1「コミュニティ経験をレッスンに変換する」
零時小学校では、毎年g0vの講師とシビックハッカーに関係するチームを招待し、シビックハッカー実践者の経験をレッスンに変換して、オンラインの公開レッスン動画にまとめるのをサポートしています。レッスンの内容は、コラボレーションの考え方と構造、プロジェクトの経験と技術、オープンソース、テクノロジーのトレンド、キャリアなどが含まれます。さらに、プロジェクトの発展をサポートするため、長期参加メンバーが「g0vシニア」として特別に招待され、コースやプロジェクトにおける問題定義、デジタルツールの使用、リソースとのつながりなどについてのレッスンや、「プロジェクト育成コンテスト」中に問題定義を行います。

> Image by g0v Sch001
### (2) ステップ2: シビックハッカーレッスンの協力と実施
零時小学校は毎年、さまざまな高校や大学と協力し、g0v参加メンバーを招待して、プロジェクトのコラボレーションのアイデアと実施、シビックテックプロジェクトの経験の共有、デジタルツールの使用などのコースを提供し、学生たちのプロジェクト実施能力を育成します。同時に開催される講師向けワークショップでは、プロジェクト作業において生徒を指導する教師の能力を養います。また、零時小学校は毎年夏休みに「夏のオンライン強化キャンプ」を開催し、前述したようなデジタルシチズンシップ講座の動画をオンラインで生徒が自主的に学習できるようにしています。テクノロジーのトレンドや時事問題に対応するため、不定期でさまざまなシビックテックイベントが開催されています。

> 零時小学校と台中市立女子高校がコラボレーションして実施したデジタル市民プロジェクトの実戦授業。(画像提供:g0v Sch001)
### (3) ステップ 3: 国境を越えた連携で、デジタル市民力を拡大
デジタルシチズンシップ講座に参加した後、一部の学生は g0vに参加してプロジェクトを立ち上げたり、参加したりします。そのため、g0vは完全なオンラインのコラボレーションフィールド(コミュニケーションや共同執筆のツール)、定期的なハッカソンの開催などで、学生たちが地域社会と交流する機会を提供しています。また、「零時小学校」は、「SITCON(Students' Information Technology Conference)」、Code for Japan といった国内外のシビックテックコミュニティと積極的につながり、学生のためにより豊かなリソースを創出しています。

> Code for Japan「シビックテック・チャレンジカップ U-22」のファイナリストチームが零時小学校2022デモ・デーに参加し、事例を共有(画像提供:g0v Sch001)
### (4) ステップ 4: プロジェクトへの付き添いと成果発表
デジタルシチズンシップ講座を受けた後、プロジェクトの提案に前向きな学生に活躍の舞台やリソースを提供するため、零時小学校は「プロジェクト育成コンテスト」を開催してきました。コンテストの過程では、学生がプロジェクトの焦点を定めたり、成果発表のデモンストレーションに付き添い、支援します。プロジェクトをサポートするリソースには、ガイド付きプロジェクトテンプレートの提供、コミュニティ 内のフィードバック体制、専門家によるレビュー、およびg0vのベテランメンバーによるアドバイス、最適化のためのワークショップ、賞金などがあります。

> 零時小学校「第3回プロジェクト育成コンテスト」(写真提供: g0v Sch001)
## 基本原則: コミュニティの結束とアイデンティティを維持する
### 1. 貢献者たちに感謝し、ポジティブな雰囲気を作り出す
g0vコミュニティには、各方面で時間、エネルギー、技術や知識を無償で捻出してくれた g0vのイベントやプロジェクトに参加して貢献者たちに感謝の意を表するため、プロジェクト、出版物、各種イベントなどさまざまな仕組みが用意されています。
:::info
#### Disfactory ニュースレターの例

g0vのプロジェクト「Disfactory」は、プレゼンテーションに貢献者の名前を記したリストを掲載し、g0vのイベントで感謝の意を表しています。
---
#### g0v 10周年記念ハッカソンの例

g0vは2022年に10 周年を迎えました。10周年記念のハッカソンでは、歴代のハッカソンをサポートしたすべてのメンバーの名前をリストアップしました。
---
#### 「Cofacts 真的假的」の労いカルチャー

民間で偽情報を検証するプロジェクト「Cofacts 真的假的」のFacebookコミュニティでは毎週、検証に貢献した全メンバーの名前を掲載し、お互いに労い合います。さらに、隔月で開催される編集者ミートアップの後には、Facebookコミュニティですべての貢献者とに感謝の意を表します。また、貢献者の投稿記録は公式サイトでも閲覧することができます。
---
#### 「Shoutoutプラン」感謝の示し方

「da0」プロジェクトが提起した「Shoutoutプラン」は、slackで互いに呼びかけ感謝し合ったものをブロックチェーン上に保存し、ユーザーらはいつでも感謝の記録を閲覧できるようにしています。
<br>
:::
こうしたコミュニティ内のポジティブな雰囲気がメンバーの士気を高めますし、メンバーの貢献が他者に横取りされたり無視されたりすることはありません。すべての貢献が重要であり、賞賛に値します。
### 2. おいしく楽しむ!
規模も形式もさまざまな無料イベントを定期的・不定期に開催するほか、コミュニティのコミュニケーションやエンゲージメントを高めるため、g0vのイベントではおいしい食べ物やさまざまな飲み物を無料で提供しています(通常はピザ、フライド チキン、コーラ、コーヒー、お茶やノンカフェインの飲み物)。これはコミュニティのメンバーが食を重視しているからでもあります。参加メンバーはカロリーを摂取し味覚を満たしながらハッキングすることで、一緒にプロジェクトを進める雰囲気作りにもつながります。
g0v参加者のSamは、2022年にg0vコミュニティの「楽しい」特性について深掘りした文章を公開しました。そこでは次のように述べられています:
> g0vのいくつかの有名なプロジェクトは成功していますが、それ以外のほとんどのプロジェクトは参加者不足で失敗に終わるか、長い間準備段階に留まっていました。
> プロジェクトの成功は、膨大な時間と関心を費やしながら、目的の達成に向けて熱心に貢献する人々の存在にかかっています。過剰な無償労働は燃え尽き症候群を引き起こし、関心を失う可能性もはらんでいます。これは g0vとその参加者にとって長年の課題となっており、プロジェクトを成功させるために避けたい状況でもあります。楽しさこそが人々が参加し続けるモチベーションになります。g0v参加者たちは、ハッカソンが楽しければ参加し続けますし、それでこそ長期的な協力と貢献が可能になります。
>
> (……)
>
> 楽しみ自体がアイデンティティを区切る方法としても機能します。g0vのイベントの楽しい雰囲気は、参加者がイベントへの参加と通常の仕事を区別することにも役立ちます。 イベントで自分の専門スキルを活かして働いたとしても、現場は普段の仕事とは違った楽しい雰囲気なので、全く違う気分で過ごすことができるでしょう。
(出典:[『社会運動は楽しくできる? g0vコミュニティの感情的な政治』](https://twstreetcorner.org/2022/06/23/sam-robbins/))

> 写真提供者:Alvin、Zongzi、cjchengtw、Jianjuke(CC BY 4.0)
g0vのコミュニティは、すべてのプロジェクトでのアウトプットや参加者による貢献を強制していません。その代わり、誰もが喜んでハッカソンイベントに参加し続けることを望んでいます。コミュニティにとって一番大切なのは「人」であり、人が集まって皆で討論することで「穴(プロジェクトのアイディア)」が生まれ、穴があるからこそ「松(アイディアを実現するためのハッカソン)」が生えるのです。(※g0vではプロジェクトを提案することを「穴を掘る(埋めるには時間がかかる)」、プロジェクトが成長するために人をハッカソンに集める、プロジェクトを実施することを「松が生える」と表現しています)
### 3. チャリティーグッズとスキルステッカー
g0vコミュニティは境界線があいまいなので、メンバーたちの所属意識や儀式感を高めるため、チャリティーグッズを続々と開発したり、スキルステッカーを作ったりしています。
- チャリティーグッズ:
g0vは営利団体ではなく、大衆からの寄付で成り立っているため、ビジュアルでコミュニティのメンバーであることを示すことができ、帰属感を高めることができるチャリティーグッズを販売しています。現在はキャップやサンダル、マイ箸やステッカーコレクションブックなどがあります。
- スキルステッカー:
g0vの参加者達たちは多様なバックグラウンド、興味、専門を持っています。そこで、ハッカソンの現場でプロジェクトに必要な人材やスキル要件を簡単に確認できるように「スキル ステッカー」を作りました。この他に、メンバーたちがさまざまなステッカーを貼るために自らスキルを磨こうとするという狙いもあります。「零時小学校」「Disfactory」など、限定ステッカーを制作したプロジェクトもあります。

### 4. 参加ハードルを下げる
g0v のモットーは次のとおりです。
***「『なぜ誰もやらないんだ?』と聞くのをやめて、まずは自分がその『やらない人』の一人であることを認めよう。万能な人は存在しない(Ask not why nobody is doing it. You are nobody. Nobody can do anything.)」***
このモットーには 2 つの重要なポイントがあります。
1. 問題を見つける人が必要であること
2. 一人ですべてをカバーする必要はないこと
g0v の参加者はさまざまなバックグラウンド、専攻や経験を持ち、社会のさまざまな側面に関心を持っています。IT系のバックグラウンドを持たない初心者にとって、シビックテックコミュニティに参加するのは敷居が高く感じられるものですが、プロジェクト内のすべてのタスクにITの専門知識が必要になるわけではありません。意見の提供やデザイン、翻訳、情報調査、記録の作成、データおよびグラフィック分析、写真や動画の制作、コピーライティングなど、さまざまな作業が必要です。プロジェクトにはさまざまな参加者がそれぞれの専門知識を提供し、互いの強みを補完して、一人では達成が難しいことをやり遂げる必要があります。
プロジェクトは何かしら解決したい問題から始まり、そこから構想のアイデアを提案し、計画を立て、タスクを切り出し、それぞれに必要なスキルを定義します。プロジェクトの発起人がすべてのタスクを担う必要はなく、g0v内で興味のあるメンバーを募り、自主的に参加してもらいます。g0vはメンバーに特定のプロジェクトへの参加や貢献を強制することはなく、それぞれのメンバーは自発的に任意のプロジェクトに参加することができます。g0vからプロジェクトに何かしらのプレッシャーをかけることはなく、プロジェクトはいつでも中止したり方向性を変更することができます。プロジェクトが一時停止されたり、更新されなくなったりするのはg0vでは普通のことです。
g0vでプロジェクトを開始する方法:
1. g0vハッカソンでの提案、人材募集
2. g0vのSlackでアイデアを提案し、参加者達と話し合い、人材を加入させる
3. 「プロジェクト育成コンテスト」などのイベントに参加する
g0vのイベントに初めて参加する人や、g0vでよく使われるデジタルコラボレーションツールを使い始めたばかりの人向けに用意されたビギナー向けガイドや実践的な技術指導が用意されています。何か問題があればSlackで質問したり、助けを求めることもできます。g0vはポジティブで楽しく、積極的に助け合うコミュニティの雰囲気を意識していますから、非友好的な扱いを受ける心配は不要です。
:::warning
【チェックリスト】
- [ ] ステップ0:コミュニティの目標を明確にする
- [ ] ステップ1: 参加者を集める
- [ ] フィールドを立ち上げ、つながりを築く
- [ ] イベントの開催
- [ ] オンラインのチャットルーム
- [ ] リアルタイムでの共同執筆
- [ ] コードを共有するプラットフォーム
- [ ] セルフメディア・プラットフォームで結果を宣伝し共有する
- [ ] ステップ2: コミュニティ運営メカニズムの設計
- [ ] 継続的にアウトプットを生み出し、進捗を更新する
- [ ] ガバナンス体制を定期的に確立および改訂する
- [ ] コミュニティ情報の記録と公開を継続する
- [ ] 募金を確立し、コミュニティワーカーを雇用する
- [ ] ステップ3: 各プロジェクトの開発をサポートし、参加者を拡大する
- [ ] プロジェクトのリソースマッチングを支援する
- [ ] 経験を学習リソースとモデルに変える
:::
----